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2018年6月現在

登録メーカー
278社
登録バイヤー
国内:891名/海外:515名

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Rin crossing Eye Rin crossingに期待を寄せる方々に、専門家の立場からいま求められる市場ニーズやものづくりへのヒントをお聞きします。

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レポート<Rin crossingスタート記念セミナー Vol.2>2012/11/06

テーマ「地域資源商品の新価値創造」〜地域資源の価値を読み換え、新商品開発を成功させる!〜 講師 : 石本 和治 氏 (1031ビジネス・コンサルティング代表 / 中小企業診断士)

前編後編

イメージ

Rin crossing スタート記念セミナー

10月10日から12日まで開催された中小企業総合展において、「Rin crossing スタート記念セミナー」が開催され、特別講演の他、トークセッションなどが行われました。今回は、10月12日に開催されたセミナーをレポートします。
(2012年10月12日(金)13:30〜15:00 東京ビッグサイトにて開催)

私は地域資源に関わる事業の申請からアフターフォローまで手がけています。私がこれまでものづくりにおいてどんな注意を払いながら、どういったお手伝いをさせていただいてきたかを、ご参考にしていただければと思います。また、Rin crossingが今後取り組もうとしていることに、みなさまのお力をお借りできれば幸いです。
たとえば流通業はこれから、日本国中の新しいものや地域に埋もれている物産を紹介していく役割を担っていくことになります。そうした中、百貨店等からは「Rin crossingで開発した商品を展開させてほしい」という動きもあることをぜひご理解いただければと思います。

有名ブランドとのコラボレーションで新たな販路開拓に成功

では、実際に私たちが手がけたものづくり事例についてご紹介しましょう。一つ目は、ニットのメーカーです。10年ほどニューヨークの近代美術館でベストセラーのマフラーを販売されていたメーカーで、昨年はスペインのプラド美術館でも展開されています。このメーカーは、商品の構成として雑貨的なものしか開発されておらず、ホテルのギフトや美術館での展開に留まっていました。そのような状況であったところ、たまたまイタリアのミッソーニ社からカラフルなニットでゴルフウェアの開発ができないか、という相談を受けました。そこで地域資源活用事業の申請を行って、ウェアの開発から販路開拓まで携わらせていただきました。ウェア製造のノウハウがなかったメーカーだったので、試作品ではゴルフのスイングができないというアクシデントもありました。そこで女子プロゴルファー専属のゴルフウェアを作っているパタンナーの方を紹介しました。おかげさまで機能的なニットウェアが完成し、百貨店に商品を納入することができました。

伝統の技術がファッション商品として脚光を浴びる

イメージ二つ目は、1400年もの伝統を誇る地域の数珠の玉づくりをされている会社さんです。地域資源の数珠玉ですが、ほとんどが京都の企業のOEMでした。しかも中国からの商品も入ってきて、かなり厳しい状況に追い込まれていました。また、何か製品を作ろうとすると、取引先の企業から「そんなことをすれば、もう売らない」と圧力をかけられ、非常に困られていました。そこでまったく違う分野に進出しようということで、アクセサリー服飾品を手がけることになりました。テーマに基づき、どんな製品を作っていくかというコンセプトづくりを一から行い、流行の形状のものを実際の試作品を作っていくことで、バラエティに富んだ商品が誕生しました。これらの商品は大手百貨店に採用されています。このような商品を消費者の選択肢に入れてもらうには、商品構成やバラエティさがとても重要です。そのアイデアがメーカーには少ないですね。当初、地域資源活用事業の申請時に機械を導入することは、たいへん難しかったのですが、最近はそれが認められるようになりました。それによって、新たなデザインをつくった結果、商品の幅が広がり、ファッション商品として販売できるようになりました。近い将来自社店舗を開設できるくらいのレベルになっています。

高い加工技術で他分野でも高い評価

分野は変わりまして、歯科技工技術の例です。こちらは、地域資源のプラスチック製品として認められているものの、技工士の人数も限られているため、加工するにも限度があります。その中で事業をどう拡大してくかというところが課題でした。そこで同じPVAで人体近似性の高い、弾力もあってまさに人間の血管と同じものを作り、脳外科のゴッドハンドといわれている福島先生に採用していただきました。福島先生は、学会のプレゼン等で活用してくださっています。当初は血管モデルだけだったのですが、さらに何かできないかと臓器モデルにも着手しました。臓器のなかにも血管を入れて、実際の手術ができるような形で事業の展開を図りました。臓器にはガンのモデルも入れられ、実際にカットできるものを作ったところ、多方面から依頼があり、海外特許も取得することができました。現在は上場も視野に入れております。

既存資源の応用で新事業を確立

次は袱紗(ふくさ)の会社です。全国の生産高ではシェアが60%以上ある会社ですが、年間の販売数は限られていて、次の事業の柱となるものを探されていました。そこで、大学との勉強会等をしていたときに、ハニカム構造に行き着きました。ここの地域資源は布帛ニット製品です。この布帛でカード入れを作り、次に袋物を作って、袋物の中にハニカム構造を二つ、三つ組み合わせた新しい商品を考案しました。今ではギフト商品として、何千個という受注を獲得しています。また、こちらは生地にこだわった袱紗(ふくさ)だけでなく、地域の麻を使うなどオリジナルの商品構成を広げることで、うまく地域資源を活用していこうとされていて、そのブランド構築もお手伝いしました。現在「和奏(わかな)」というブランドでRマーク(登録商標マーク)を取得し、展開を始めています。こちらも将来的には商品構成の幅が広がったときに自社店舗を出店したいと考えていらっしゃいます。

地域資源事業の活用で高レベルの商品開発が可能に

そして袱紗(ふくさ)の次は、日本茶です。1400年の歴史を持ち、35年間無農薬で栽培されているお茶です。その二番茶の価値が低いということで、何か別の活用法がないかと考えておられました。そこで目をつけたのが、35年間無農薬ということ。二番茶から紅茶が作られることを思いつきました。やぶきた種というのは渋いお茶ですが、無農薬ですから害虫がきます。ウンカが食した茶葉は、とてもフルーティーになるのです。インドやスリランカでもこの方法が採用されています。さっそく地域資源事業を申請し、商標登録も取得できました。今、地域資源の何がいいかというと、3分の1の負担で5年間最大4,500万円の事業が可能で、実際の3倍もの仕事ができるところです。このケースでは、お茶の世界で著名な京都大学の坂田名誉教授にご相談しながら、それなりのレベルに高められました。まさに、Rin crossingが考えている、マッチングから支援、そしてさらにいい商品開発という地域資源事業の活用ができている好例です。

変化する消費者ニーズを掴むには?

イメージ私が常に気をつけていることは、市場ニーズの把握、商品の新規性、独創性、競合性、市場性の5つです。この5つがなければ、商品として市場で成立するのが難しくなります。そして、Seeds とNeeds、Wants、Demandというキーワードがあります。「Seeds」は「喉が渇いたな」とか「お腹が空いたな」という潜在的な欲求ですが、「Needs」は「何か飲みたいな」とか「何か欲しいな」という欲求レベル。具体的に「コーラが欲しい」とか「お茶が飲みたい」というのが「Wants」、しかし心変わりをし、コーヒーを買いレジを通すとそれが「Demand」となります。 これが、ものづくりから販売までの流れです。わからないニーズには、どう対応すればいいのか。かのスティーブ・ジョブズはこう言っていました。「人は形にして見せられるまで、何がほしいかわからない」と。彼は商品開発に徹底的にこだわりました。みなさまが開発している商品は、その分野でダントツですか? 形にして見せるときに、どんなこだわり、ストーリーを持たせていますか? それを念頭に置いていただければと思います。

この次に重要なのが、プロダクトとファッション商品の違いです。にっぱちの法則、パレートの法則ともいいますが、2割で8割の売上が取れる時代は終わりました。非常に厳しい状況ですから、商品構成を必死で工夫しないといけません。そのため、Rin crossingに上がってきた商品を、いかにバイヤーがくみ上げて、ブラッシュアップして作り上げていくかが重要な時代なのです。非常に絞りにくい消費者の志向に対して、どのようにしていかなければいけないのか、商品の多様化に対してロングテールマーケティングをしていかなければいけない。それぞれの商品にこだわらないとものが売れない時代になってきているのです。わからない消費者のニーズを、例えばソーシャルメディアの情報を収集しながら、自分の企業用に編集、活用していくことなども大切です。また、商品の組み立て、組み合わせといったことが求められる時代でもあります。

効果的なターゲットへのアプローチとは

震災以降、何かを所有することより、自分の生き様について考えるように意識が変わってきています。スペンドシフトということが言われていますが、これは日本だけではなく、その震災を見て、アメリカでも盛んに消費に変化が起こってきているようです。しかも景気動向がまだまだ厳しいだろうという状況下で、人との絆や地域のコミュニケーションを大切にする思いや価値観を持った人たちに対して、どのような商品を提供していくべきかを考えなければいけません。特にメーカーは、自社のターゲットがどういうところなのか、ターゲットがどういう変化をしていてそのニーズが何なのかを知らないといけない。単に機能だけではなく、それをどう見せていくかに注意すべきです。

ものづくりには、ストーリーが重要です。多くのメーカーは、スペックにこだわって製品で終わっています。消費者はスペックに加え、デザインなどの付加価値を見ています。消費者が考える価値をしっかりとらえ、今度はメーカーがその価値を発信していく。そこに共感を呼ばないものは、売れない時代です。ものづくりはそこまで考えることが必要なんです。Rin crossingの取り組みは、マッチングを通し、そこまで考えたものづくりを支援していきたいと考えている事業だと思います。

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