The Place of Discovery Rin Crossing

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国内:803名/海外:517名

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Rin crossing Eye Rin crossingに期待を寄せる方々に、専門家の立場からいま求められる市場ニーズやものづくりへのヒントをお聞きします。

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レポート<商品開発にCrossing!
スペシャルディスカッション>2013/07/08

パネリストプレゼンテーション

1/22/2

【開催概要】
開催日時:
2013年3月21日(木) 17:00~18:30
  会場:
Rin(青山)3階イベントスペース
【パネリスト】
工業デザイナー 日原 佐知夫 氏
株式会社能作 代表取締役社長 能作 克治 氏
(進行役:Rin crossing 事務局長 蓑島 毅)

パネリストプレゼンテーション

工業デザイナー 日原 佐知夫 氏
25年程前、故郷山梨の家具製作所勤務時代、静岡は家具産地としてとても刺激的で、デザイナーとメーカーが組んで良い商品を作っていました。独立するなら静岡しか無いと思い、憧れて移住しました。静岡のデザインオフィスに4年間お世話になり、その後フリーランスに。以来、静岡を拠点にして活動しております。

独立後、メーカーとデザイナーが協力して自社ブランドを発信することに興味を持ち、海外にも出て色々なメーカーにプレゼンテーションを行いました。「日本だけでやっていてはダメだな」と思っていましたが、一方、「やっぱり日本ってすごい」とも思いました。そして、2002年のミラノサローネでの佐渡川清氏(東京国際家具見本市IFFT総合プロデューサー)との出逢いがきっかけで、2004年からSOON JAPAN DESIGN PROJECTをプロデュースしています。

SOON JAPAN DESIGN PROJECT(スーン ジャパン デザイン プロジェクト)について
最初は、Designer’s Gallery SOONという若手デザイナーの作品展でしたが、デザイナー自身が実商の場で商品を売るというような活動に変化してきました。2007年に高岡伝統産業青年会と共同で工房訪問ツアーをさせていただき、次の年にはデザイナーがデザイン提案に乗り込んだり。こうして製作が進んだ商品は、東京・青山で半年以上に渡り、「骨董通りデザイン展」を開催し出品しました。また、スカイツリー開業を契機に始まったすみだブランド戦略には2009年から参加。工房訪問に始まり交流から生まれた商品を、百貨店で販売会を行ったり、見本市に出品するなど活動が広がっています。2012年には「スマイル・エピソード・シンポジウム」という身体を思うように動かしづらい方々のための、遊びを提案するシンポジウムにおいて、私たちは、デザイナーとしてどう関わっていけるのかをテーマに作品を持ち寄り展示を行いました。また現在、すみだプロジェクトの他、あべのハルカス近鉄本店「職人モノ展」、デザイナー×職人のコラボレーションで20工房にお邪魔し、モノづくりが始まっています。プロジェクトの進行に際しては、まず工房に出向き技術や製品を見させて頂くことから始めます。アイデアはその場で出てきませんので、持ち帰りその後に関係を深めていくことになります。

SOONは会員組織ではありません。立ち上がった企画に賛同するデザイナーが、参加するので、その都度メンバーが変わります。自由な運動体なので活動に縛りがありません。連絡網は、私のメールリストやfacebookなどで広がっていきます。延べ350名以上のデザイナーに参加頂いています。デザイナーはデザインを商品化してもらうことを前提にプレゼンをし、売上に応じたロイヤリティでデザイン料を頂く、というスタイルが基本になっています。
墨田での最新のものは、monoマガジンに取り上げられ、すみだマンスリーコラボレーションの記事や、またCasaという雑誌に福嶋賢二さんと小林断截さんの作品が取り上げられました。福嶋さんの作品は、メモ帳なのにパッケージとして中に物が入り、そのままギフトパッケージとして使える商品です。

次に京都では、京都商工会議所主催の国内販路開拓事業project kyo-toのプロデュースが3年前から始まりました。このプロジェクトはギフトショーで発表する為に面談しコンサルティングして商品をまとめていく、というスタイルで、毎年20社を選定して進めています。空間デザインはLITTLE 美和小織さんに担当していただきました。文字やサインでなく老舗感を空間で表現しています。2003年は、背景に屏風型のパネルを配置し、メーカーさんは商品を挟んで対面形式でお客様と話をするような形になっています。

事例紹介

アンドウ株式会社

面談でアンドウならではの商品は?と聞くと、「うちは、絞りです」との解答。では、絞りづくりで1番楽しいところは?と続けて聞くと、「糸をほどく時が1番楽しい」と。そして、この絞り作りの最後の工程を商品にする企画が生まれました。糸をほどかない状態をパッケージに入れて販売。ほどく楽しみをユーザーに残しました。現在は,和菓子風なパッケージに入れて販売をはじめました。

株式会社遊禅庵

革に友禅の技法を用いています。名前が「京の友禅革」と言うのですが、素材開発にチャレンジしていただきました。ギフトショーで分かりやすく提案する為に財布や小銭入れ草履を作っていただきました。素材としても販売されます。

クスカ株式会社

丹後の織物会社、クスカさんがチャレンジしたのは「KUSKA」というブランドをどうにか売り場に定着させたいという試み。通常はネクタイやストールを取り扱っております。展示に必要なものとして、自社の織物をまとったトルソーを製作。シーズン毎に上の商品だけを入れ替えるのです。トルソーも商品として買っては頂きたいのですが、売り場の什器として常に置かせて頂く。戦略的には生地や製品を売るのではなく、売り場をどう確保するか、ということになります。

株式会社 三協

プリーツを作る機械のメーカーです。プリーツが生きる普段使いの物にしましょう、ということで和の印象を残したティッシュケースを作りました。現在は、素材も増え本革にも挑戦して頂いています。

もう一つ京都で行っている事業が、京の伝統産業春秋会・わかば会連携活性化事業協議会連携事業「京と今の和プロジェクト」です。今の時代に合う新しい「今の和」を作りましょう、というテーマで10名の伝統工芸の職人さんと商品開発を進めています。

京友禅の墨流し技法の薗部さんが挑戦された、墨流しを生かした照明器具は、面談しながらアイデアを出し合い試作を重ねて頂く流れで進めています。

西陣織の設計図を描かれる紋意匠の伊藤さんは、いずれ自分のしていることがなくなってしまうのではないか、と心配され、今回チャレンジ頂きました。紋意匠の部分と紋紙の部分、盛り上がった部分で、西陣と、これはジャガードですが、西陣織の全てがこの中に含まれるアートパネルとなります。

また京友禅の型彫りをなさっている西村さんには彫った型自体を透明なアクリルに挟んで、それを作品としてもらいました。

引染めをなさっている隄(つつみ)さんも染めの工程だけをなさっていたのですが、ミーヴというブランドを立ち上げてカバンや小物類を作っております。

山本さんは魔鏡の職人さんです。彼にはお菓子を置くトレイにチャレンジして頂きました。山本さんの希望で栓抜きの箱も作って頂きました。彼だけが唯一30代でした。

山下さんは、京印章を彫られています。彼がチャレンジしたのは、「お茶の木を使って印章を作りそれと共に京都茶印をブランド化したい」という試みです。

工業製品は、型代の消却など、数千個売って初めて利益が出るように計算されていたりして、100や200では、販売数量が足りない物もあります。量産を目的とする工業製品と違い、京都市の職人さんは、大量生産をしていない。いずれの方も一つの商品を丁寧に作る事を続けてこられた。一品づくりを糧とし、誂える(特注品をつくる)コトが専門。
「必要とする方のために、一つお作りする」スタイルが、京と今の和プロジェクトの職人さんには有ります。たおやかな生活のリズムを感じます。

このプロジェクトの発表展示会は、みやこメッセで行われる「伝統産業の日展示会」にて3月に開催されました。日本一の伝統工芸品と職人さんが集う三日間です。京都市の角川市長は、毎日和服を着てらっしゃるそうです。素敵ですね。市長さんも毎日会場に通って頂き、笑顔で職人さんに元気を与えている様子が、とても温かくあり、アットホームで時間の流れもたおやかで素敵だと感じました。しかし、伝統産業は、後継者も無く、市場も縮小している事実が有り、プロデューサーとして何が出来るのか模索している状況です。

司会 物と事が関わることで人と人が出会い、コミュニケーションが深まる、ということで「人と人を繋ぐデザイン」というとても印象的なお話でした。ありがとうございます。

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