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Rin crossing Eye Rin crossingに期待を寄せる方々に、専門家の立場からいま求められる市場ニーズやものづくりへのヒントをお聞きします。

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レポート<地域にFOCUS in 八戸>2014/03/25

Rincrossing Eyeレポート「地域にFOCUS」は、地域においてモノづくりに関わる若手グールプ等に焦点を当てて、各地で起きている様々な動きをご紹介していきます。

第3弾となる今回は、東北の工芸品のセレクトとアートデザイン。グッズを通して東北の魅力を発信する東北STANDARDについて、八戸からのレポートです。

例年にない積雪に見舞われた八戸目抜き通り

SHOP事業の立ち上げ

東北有数の港町でもあり、1600年代から南部氏の城下町として発展してきた八戸。その中心街に位置する八戸の地域資源の情報発信拠点「八戸ポータルミジュージアムはっち」の中に、東北の知恵や文化を発信する「東北STANDARD」プロジュクトの公式ショップである「カネイリミュージアムショップ」は存在する。

八戸ポータルミジュージアムはっちのエントランスとカネイリミュージアムショップ

そこは、実際の八戸へと誘う玄関(入口=ポータル)というユニークな公共文化施設のセレクトショップとして、2011年2月の開設以来、文具、書籍とともに東北6県のデザイン性の高い雑貨、工芸品を取扱い、地域の魅力を紹介している。

地域工芸品を展示するユニークなエントランス

東北STANDARDの代表であり、地域の大手文具書籍小売店 株式社金入 代表取締役 金入健雄氏にこのプロジェクトの立ち上げのきっかけと今後の活動について伺った。

カネイリミュージアムショップの前の金入氏

東北STANDARDのホームページ:tohoku-standard.jp/

藩の御用商人、肥料卸を経て戦後5代目が立ち上げた文具書籍商の後継者(7代目)として、銀座の老舗文具店での修業を終えて地元に戻ることになった金入氏、なにかクリエイティブなことをやりたいと考えていた。
そして、現在の八戸のミュージアムショップの運営企画コンペを参加、流通業としての強みも活かしながら、見事受注を獲得。あの3.11の1か月前にオープンにこぎつけることができた。

華やかなカネイリミュージアムショップ展示コーナー

カネイリミュージアムショップに隣接する情報発信スタジオ

東京でのセレクトショプ等でのデザインやアートに関する見聞は参考にしつつも、地元の特性を活かしたかっこよさ、おもしろさを追求した結果、たどりついた青森の工芸品をメインに訴求していくことになる。本人は第二の創業と位置づけるとともに、コンセプトとしては、青森ならではの素材をどうみせるか、ミュージアムショップ=オリジナルな発想の店と考えている。
アートだけでもだめ、クラフトだけでもだめ、普段づかいもでき、かつデザインにもこだわったものを県外の観光客のみならず、地元の方にも提供していくことをポリシーとしている。
その後、取り扱う工芸品の地域の東北全体への広がりとともに、デザイナーをはじめとする支援者の協力も得ながら、東北の中心である仙台市が運営する美術・映像文化の活動拠点である「せんだいメディアテーク」1階にもショップを手掛けることとなる。

せんだいメディアテーク1階にあるカネイリミュージアムショップ

素材の発掘、創り手との出会い

最初は、デザイナーや中間流通経由で情報収集するのでなく、ひたすら飛び込みにより創り手の元を訪れたそうである。この試行錯誤の過程が、東北STANDARDを含めたその後の展開を考える上で貴重な経験となっているそうである。

地域に根付き伝統をつないでいる人がいる。その人たちの作品をどのように店頭で取り扱っていくか、趣味の店やデザイン先行の店になってはいけない。今売れる=市場で戦えるように、本人たちが気付かない良さを、伝統をもとにブラッシュアップし、強みに変えていく、といったコンセプトを創り手と共感する機会でもあったと振り返る。

展示商品を手にとって紹介する金入氏

そして、「最近は、デザイナーからのコラボ企画の持ち込みもあるが、発表する機会のない創り手同士のコラボの場の提供とかを志を同じくする流通であるわれわれが直接行い、そこから自然と新しいものがつくれる環境づくりに関心があります」と金入氏は語る。

創り手に還元される仕組みづくり~レジを通して~

Rin crossingも流通側やクリエイター等との取組みを試行しているが、この点について、問うと、「私は創り手の営業マン。デザイナーでもクリエイターでもないので、話し合いの中から、売れるものを買い取るという形で責任を取っていく」という言葉が即座にかえってきた。
クリエイターとのコラボでもプロトタイプのままで終わり、商品化までいかないケースが見られる中で、創り手もそれで食べていく、ショップ側もレジを通してビジネスとして成り立っていかなければならないといった視点で事業を進めており、実際、創り手の中でも外からの後継者の参入も起きているそうである。

カネイリミュージアムショップのレジ風景

東北STANDARDへの想い

リアルであるショップ運営の中から、情報発信のプラットフォームである東北STANDARDはどうして生まれてきたのか。
前述のように東北の各地の商材を扱い始める中、「東北の良さ」とは何か、聞かれた際、自分の中でまとまった言葉にならなかった。そこから、東北でつくる意味とは、東北というひとつのかたまりをどう伝えていくか、考えはじめ、包括的に東北の知恵や創意工夫、そのかっこよさを発信できるプロジェクトにたどり着くことになる。
東北STANDARDの活動の特徴と今後の展開についてお聞きした。
東北6県を横断的に取り扱うプロジェクトである点。つまり、各地域の特異性を活かし、創り手と使い手を結ぶそれぞれの活動をおこなっているキュレーターやメディア、デザイナーと手を組むことで、多くの情報があつまる。その中から意欲ある若手の創り手や東京ではみられない商材を発見し、プロデュースすることが可能になることである。
今後は、BEAMS、仙台の「手とテとて」とともに、2014年1月、渋谷ヒカリエで行った企画展の経験も活かしながら、東北以外の地域でも、まだ全国展開をおこっていない東北の次世代を担うブランド、グッズとさらに食品なども紹介していくことを検討しているとのこと。
オリジナル商品についても既に南部裂織の作家とともに「kofu」ブランドとして、いくつかの文房具を開発しており、2013年度のグッドデザイン賞を受賞している。更に海外向けに東北のライフスタイルを提案できるものや産地間のコラボ商品にも関心を示されている。

「kofu」ブランド文房具とエントランスに飾られるグッドデザイン賞賞状

Rin crossingの登録バイヤーでもある金入氏から、仕入れ先情報の収集先としてだけでなく、東北以外での売り場の展開やイベントにおける連携への期待、さらには、グッズ以外の食や文化との組み合わせによる東北のよさ、日本のよさを一緒に発信していきたいという期待を寄せていただいた。

カネイリミュージアムショップで取り扱う、Rincrossingメーカーの商品

最後に「生き方」の提案をベースに東北って何だ、を示せるプロジェクトを地元に根付いた事業家として進める金入氏にエールを送りたい。
Rin crossingにおいても、今後とも各地域で同様の活動に取りくむ挑戦者にフォーカスし、レポートしていきます。

●金入健雄(かねいり たけお)氏
1980年 青森県八戸市生まれ。文具・書籍の株式会社金入 代表取締役社長、東北スタンダード株式会社 代表取締役。高校時代から東京へ。大学卒業後、伊東屋勤務を経て、2008年、実家である金入に入社し、2011年「カネイリミュージアムショップ」をオープン。

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