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創り手たちのStory

Home > 創り手たちのStory #022 (株式会社タケヤリ )

#022 株式会社タケヤリ2014/03/18

世界でここだけの重量級帆布を用いたファッショナブルな〈バッグ〉

創業126年、老舗帆布メーカーの挑戦

倉敷で創業126年。建設当時のままのレトロなのこぎり屋根と木の床の工場では、昔ながらのシャットル織機が重みのある音をたて、ゆっくり着実に厚い綿帆布を織り上げています。

株式会社タケヤリは、1888(明治21)年に現会長の祖父母が創業。小倉織りの足袋や袴地で評判となり、第5回内国勧業博覧会では載仁親王より褒状を受けました。明治後半から現在の主力製品である綿帆布に着手し、1950年には株式会社クラレと提携して合繊帆布の本格的生産を開始。新旧の織機を巧みに利用し、あらゆる帆布を織り上げる技術、そして手織りから革新織機までの変遷は日本の織布工場の歴史そのものと言える老舗の帆布専門メーカーです。

今、その老舗メーカーが提案する、かつてない厚手の帆布バッグが注目されています。

「催事やイベントでも、希少な極厚の帆布であることや製造のこだわりを説明すると売れる。まず魅力を知っていただき、今後はリピーターを育てるのが課題です」と、武鑓会長

「どこでもつくるようなものをつくっても仕方がない。よそではつくれないものをつくりたい」と代表取締役会長の武鑓澄治さん。

伝説のシャットル織機が生み出す極厚素材

同社の強みは、日本で唯一、1号〜3号という厚みのある帆布を織ることができること。その秘密は冒頭に記した、日本ではタケヤリだけが所有するベルギー製の伝説のシャットル織機です。手織りの作業をそのまま機械化した原始的な織機で、現在は生産されておらず、世界でも台数が限られています。

「厚手の帆布は非常に頑丈で、工場のベルトコンベアやトラックの幌に使われてきました。それをあえて衣料雑貨の分野に持ち込み、帆布の新たな可能性を拓きたいと挑戦しています」と、武鑓会長。自らプロジェクトリーダーとなり、新規事業を率いています。

伝説のシャットル織機を活用し、江戸時代の職人技が結集したしなやかな肌触りの雲斎織〈壱等雲斎〉や、昭和30年代頃に製造されていた高密度綾織物〈備前壱号〉、昭和初期から20年代にかけて学生服などに用いられた〈霜降り〉など、手数がかかるゆえに廃れていってしまった織物を復刻してきました

2011年にタケヤリが発表したメンズバッグ〈UNDER CANVAS〉シリーズは、厚さ1.6ミリという極厚の2号帆布を使用。綿帆布を用いた製品はたくさんありますが、一般に6号〜8号の薄手の帆布が用いられるため、頑丈さや型くずれのしにくさは群を抜いています。

厚手の帆布は染色も縫製も非常にむずかしいのですが、地域活性化にも貢献したいと岡山県・児島地区で加工を行っています。ハードな存在感と使い込むほどに馴染んでくるユーズド感、そして素材そのものの希少価値がファッション感度の高い30〜40代の男性に好まれています。

生地帆布は、1号〜11号まで対応しています

帆布のイメージを変えるエレガントな新ブランド

さらに業界を驚かせたのが、2014年春夏に発表したレディースバッグブランド〈TAKEYARI since.1888〉です。やはり同社にしか織ることのできない3号帆布を鮮やかな色に染めて、エレガントでシンプルなトートバッグに仕上げています。

 

当社でしか織ることのできない極厚の2号帆布を贅沢に使用した、飽きのこないシンプルなトートバッグ。部分づかいされた国産のヌメ革と帆布生地は、使うほどに風合いが増します

 

鮮やかな発色と帆布の美しさが際立つ〈TAKEYARI since.1888〉シリーズ。軽くてたっぷり収納できます

「帆布というとカジュアルでワーク的なイメージが強いのですが、それをくつがえしたいという思いがありました。帆布という素材で、こうしたエレガントなバッグは市場にありません。素材の良さをしっかり感じてもらいながら、おしゃれな女性にオンでもオフでも持ってもらえるバッグを目指しました」と、企画を担当する同社リテールデビジョンプランナーの大岡千鶴さん。

市場にマッチした商品を打ち出すために、展示会で出会った元百貨店バイヤーのコンサルタントを介して、大手化粧品会社の商品開発等で実績のある坂梨カズ氏をプロデューサーに起用。発色にこだわり、従来の資材系の染色工場ではなくファッショントレンドを得意とするクラボウ徳島へ依頼しました。綿帆布は芯まで染めにくく、色落ちしやすいのが難点でしたが、それも長い時間をかけてじっくり染める技術開発で克服。縫製は革鞄の産地である兵庫県豊岡市の工場に託し、革の縫製技術を活かしてファッション性の高いフォルムを実現しています。

「現在、倉敷市では全国の約7割の帆布を生産していますが、地元でも知らない人が多いので、頑丈で風合い豊かな帆布の魅力を多くの人に伝えていきたいですね」と、リテールディビジョンのプランナー・大岡千鶴さん

「厚手の帆布ならではの形のきれいさや、同サイズの革バッグに比べてバッグ自体が軽いのが魅力です。ファッションにあわせて持ち方を変えられるよう、持ち手の結び目で長さを調節できるのもポイント。働く女性にも持っていただきたく、A4ファイルが入るサイズや内側にウレタンを入れてPCを入れても持ち歩ける仕様にするなど工夫を重ねています」と大岡さん。

帆布を活かすコラボレーションに意欲

現在、日本橋三越や新宿伊勢丹など百貨店を中心にイベント販売を行っており、発色の良さに惹きつけられるお客様が多く好評です。来年は、パリで開催されるテキスタイル見本市「プルミエール・ヴィジョン」への出品も検討しており、ブランド構築を進めながら商品の価値を伝える接客やアフターケアでリピーターの育成を図ります。

2014年3月、Mercedes-Benz Fashion Week TOKYOの一環として、渋谷ヒカリエで開催される日本の伝統や最先端の技術とクリエイターが共創するトレードショー・エキシビジョン『EN』に、Rin crossingのコーディネートで参加。関西のデザインユニット・THE UNIONとのコラボで、デザイン性の高い帆布バッグを制作し、国内外へ向けて極厚帆布の魅力を発信しています。

トレードショー・エキシビジョン『EN』のために、デザインユニット・THE UNIONとコラボしたバッグ。全体をぐるっと囲む革の持ち手が荷物の重さを分散します

「Rin crossingを通じて同業者、異業種の方、デザイナーさんたちと交流し、新商品の開発につなげたい。魅力のある製品を通じて弊社ならではの特殊な帆布生地があることを知っていただき、生地そのものの販路も拡げていきたいですね」

株式会社タケヤリ
(カブシキガイシャタケヤリ)

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