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創り手たちのStory

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#023 正プラス株式会社2014/04/25

心身を癒し、環境も守る日本の森から生まれた〈精油〉

人類にも地球環境にもプラスの事業

「なによりもうちは、人と森の健康を同時に良くすることを見つけた会社なのです。それができている会社は世界的にも珍しいのですよ」

人類にとっても、地球環境にとっても「正にプラスになる企業」という信念のもと、緑豊かな岐阜県・飛騨高山を拠点に“日本産アロマ”の製造販売を行っている正プラス株式会社。創始者である代表取締役社長の稲本正さんは、1994年『森の形 森の仕事』(世界文化社)で毎日出版文化賞を受賞した作家であり、自然を愛する木工芸家でもあります。

創始者である稲本社長は、立教大学で原子物理学に携わった後、化石資源の乱用による環境破壊を強く認識し、教職を辞して飛騨へ移住。「100年かかって育った木は100年使えるものに」というポリシーで木工業・木造建築の会社オークヴィレッジも創設しています

稲本社長が精油(エッセンシャルオイル)に興味を持ったのは1999年。世界一の植物園といわれる英国王立キューガーデンの当時の園長・プランス博士との出会いから植物の生命力の源であるエッセンシャルオイルの存在を知り、アマゾン森林研究所(INPA)で樹木と精油の関係についての調査を開始。そのとき、衝撃的な事実を知ります。

「豊かな原生林のなかで、ローズウッドだけが絶滅していたのです。ローズウッドからはすばらしい香り成分であるリナロールが豊富な精油が抽出されます。それが有名な香水に使われ、伐採され尽くしてしまったのです」

これまでなかった“日本産の精油”への挑戦

そしてアマゾンから帰国し、アロママッサージを受けてみた稲本社長は、前後不覚に陥るほどの深い眠りを経験します。目覚めたら心も身体も驚くほどすっきりしていました。なぜ植物から抽出された精油にこれほどの力があるのか。その有効性に開眼し、「日本の森からも精油が抽出できないか」と研究に着手したのです。

飛騨高山の森林から集められた枝葉が精油の原料。トレーサビリティが確保されているのも同社製品の魅力です

「精油は主にヨーロッパで活用されてきた歴史があり、日本ではほとんど採取が行われていませんでした。しかし日本は世界2位の森林面積率で、国土の67%が森林です。森は、毎日のように山に入って枝葉を採ることで森林生態系が豊かになっていきます。その枝葉からきれいな地下水を用いた水蒸気蒸留法で抽出した精油が、人間を健康にする。しかも体だけではなく心身を健康にして美しくするという画期的な事業です」

実験段階で日本のモミやヒノキ、クロモジから精油が抽出できることを確認し、愛知県森林・林業技術センター長だった「木の専門家」北川賢次さんを招聘。経済産業省と農林省のプロジェクトである農商工連携による支援を受けて事業を本格化しました。そして、モクレン科のニオイコブシ、カバノキ科のミズメザクラ、マツ科のヒメコマツ、そしてミカン科のサンショウなど、世界のどこにも報告がなかった日本ならではの精油を抽出することに成功したのです。

北川賢次さん(専務取締役)が、原料調達と品質管理の要を担っています

厳選した9種の精油〈yuica(ゆいか)〉

こうして生まれたのが、厳選した9樹種の木の精油〈yuica(ゆいか)〉です。それぞれに効果効能がありますが、なかでも「クロモジ」の成分には驚きの発見がありました。ローズウッドと同じクスノキ科で、リナロールを豊富に含んでいたのです。

「分析の結果、鎮静効果が非常に高く、免疫効果や抗菌効果もあるとわかりました。不眠症に有効だと言われていますが、おそらくリナロールを含む香りによりよく眠れたのでしょう」そう言って、稲本社長は微笑みました。

「絶滅危惧種のローズウッドの代用となるアロマが日本の森にあったのですから、すごい発見です。また、クロモジは古くから茶道で楊枝に使われています。昔の日本人はクロモジの香りに心が落ち着く効果を感じとっていたのですね。すごい感性ですよ」

〈yuica〉は、漢字では「結馨」。「結(ゆい)」とは白川郷などで、“人と人を結びつける”「協働」の集団を指す言葉で、“人と自然を結ぶ”という意味も内包しており、「馨(=香:か)」で人と人、自然と自然を結びたいという同社の基本姿勢を表しています

正プラスでは、東京農業大学の協力を得てオイルの成分分析と200人以上の被験者によるパッチテスト等を行っており、現在も名古屋大学と共同研究を重ねて、つねに安全で安定した成分の精油だけを供給しています。

また、〈yuica〉の精油は、外国産の精油に比べトレーサビリティ(製品化までの経路)が明確なのも魅力。主に飛騨高山地方の山から採集された「野生」の間伐材や枝や葉から抽出しますが、その森の枝などを集めているのは、飛騨地方の森林組合員とOB、つまり地元の目利きたちです。

「まず採集できる群生地を探し、他の樹種が混ざらないように気をつけ、適度な太さで粉砕しやすいものを集めなくてはならないので非常にむずかしい。日本で精油の製造が事業化しにくいのはそのためです」と、森林の専門家である北川賢次さん。

正プラスでは知識と経験のある北川さんが地元の人たちとよく話し合い、持ち込まれた商品を吟味することで品質を保っています。山の所有者から枝葉を買うことで雇用にもつながり、地元の人たちもこれまで価値を見出していなかった枝葉から精油がとれるとあって、こまめに山に入って手入れをするようになり、森はますます豊かになってきました。

精油の抽出機はこれまで5度にわたって改良。東京農大でアロマオイルを専門に学んだ佐久川泰平さんが製品づくりの主任です。「良質の精油がとれるように工夫を重ねるのが楽しい。毎日アロマの中で仕事をしているせいか、風邪をひきにくくなったんですよ」

「とくにニオイコブシは山の中腹以上の尾根にあり、採集に困難を極めます。そのため貴重で高価ですが、花のように爽やかで甘い香りがすばらしく、活力がわいてくるリフレッシュ効果が特徴です。昨年は〈トヨタレクサス〉の香りとして採用されるなど、注目を集めています」と、稲本社長。

日本の森の香りをコンセプトに、さまざまな商品展開

さらに今、精油〈yuica〉をベースに開発したヘアケア製品〈KOTOHA with yuica(ことはウィズゆいか)〉が、シャンプーソムリエなど美容のプロフェッショナルから高い評価を得ています。

 

シャンプーソムリエもおすすめの〈KOTOHA with yuica〉。洗練されたパッケージデザインやパンフレットで商品価値を伝えています

 

上部に溜まっているのが抽出された精油です

「オーガニックシャンプーでも、香りまで天然成分というのはほとんどないのです。〈KOTOHA〉の香りはニオイコブシとクロモジの2種類。元気が出るニオイコブシは朝シャン用、心が落ち着き眠りを誘うクロモジは夜シャン用です。また、ノンシリコンでも髪がきしまず、日本人になじみやすい成分を探し求めて、開発には2年半かかりました」と稲本社長。

そのこだわりは徹底しており、もっとも日本人の髪に合うとされる椿オイルも各産地を検証してオレイン酸含有率の高い佐渡産の椿を使用。長野産ローズヒップオイル、圧搾抽出法でていねいに抽出した米ぬかオイル、新たに発見された鉄分などの栄養分を生体内に吸収しやすくする植物成分フルボ酸も配合しています。

3月6日に老舗トータルビューティサロンのハリウッドビューティサロン〈May’s Garden Spa〉(六本木ヒルズ)で開催された和のアロマセミナー。同サロンでは正プラスの製品を使用しており、「森林浴効果で、マッサージをしている間にスーッと眠ってしまうお客様が多いんですよ」と副店長の渥美由加さん

「フルボ酸は駿河湾で採取された高品質のもので、通常、製品に入れると非常に高価になってしまいます。しかし、〈KOTOHA〉は、先方が私たちの事業内容を高く評価し、優先的な卸価格を提示してくれたため、手頃な価格が実現しました。事業には哲学とストーリーが大事だと思います。我々もそうだし、そこがきちんとしている会社としかつきあわない。Rin crossingには、そうした企業の哲学とストーリーを表現できる展示会や販売などの支援を期待しています」

正プラス株式会社
(セイプラスカブシキガイシャ)

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