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創り手たちのStory

Home > 創り手たちのStory #003 (有限会社冨岡商店)

#003 有限会社冨岡商店2012/10/29

桜の町から生まれた美く希少性の高い「樺細工」

営業本部隣にある工芸ギャラリ−前にて

世界でも「ここにしかない」希少な工芸品

武家屋敷としだれ桜で知られるみちのくの小京都、秋田県角館。山桜の樹皮を用いてつくられる樺(かば)細工は、全国でもここだけにその技術が受け継がれる伝統工芸です。その製造元である冨岡商店の創業は昭和45年。先代が、跡取りのなかった樺細工の産地問屋からのれんを譲り受けてのスタートでした。

「樺細工は江戸中期に始まり、その美しさを当時の城主がたいそう気に入ったことから武士の内職として広まりました。桜の樹皮を使った工芸品は、国内はもとより世界でも角館にしか類がありません。現在、樺細工の製造元は、当社を含めてわずか6軒。その中での差別化も重要ですが、私どもではまずこの希少性の高いクラフトを、この町の文化背景とともに広く世界に発信していきたいと考えています」と代表取締役社長の冨岡浩樹さん。穏やかな語り口に、地元と樺細工への愛情が込められています。

 

冨岡浩樹代表取締役社長

伝統のよさはそのままにデザイン性を高める

 

〈art KABA〉シリーズ・Kapa(カパ)。樺細工の質感と特性を生かしたパスタケース。湿気を嫌うコーヒー豆や海苔などにも最適です

 

〈art KABA〉シリーズ・kabajyu (樺重)。伝統工芸である樺細工と現代技術LEDの融合によって誕生した照明器具。光と影が幾重にも重なり合って幻想的な空間を生み出します

良質な樹皮は、樹齢70年から80年の山桜から採取します。伐採するのではなく、樹皮のみを採取する独特の方法のため、樹は生き続けます。

「樺細工の魅力は、独特の渋い色あいと艶。昔から補強材に使われるほど丈夫で、にかわや漆の接着剤を用いたものであれば100年以上は使えます。天然樹皮ですから、ひとつとして同じ模様のものがないのも大きな魅力。愛着をもって使い続けていただける品です」

湿気を避けて乾燥を防ぎ、抗菌作用もあることから、古くは薬籠や煙草入れ、現在では茶筒やなつめが定番商品です。冨岡商店では暮らしにもっと樺細工を取り入れていただこうと、昨年4月、YOnoBIプロデュース、橋本夕紀夫氏デザインによるブランド〈art KABA(アート・カバ)〉を立ち上げました。伝統のよさはそのままにデザイン性を極め、照明やトレイなど現代のライフスタイルに合った商品開発に注力。今後はインテリアショップ等にも販路を広げたいと考えています。

海外で注目される樺細工の可能性

〈art KABA〉シリーズ・Kasanegasane(カサネガサネ)。曲げわっぱをベースに、その周りに桜皮を張った帯を重ねた、持ちやすく軽快な印象のトレイです

海外進出も視野にいれ、今年2月、フランクフルトで開催された国際見本市に初出展。一般的に3年間は声がかからないといわれるなかで、すぐさまディオール社の目に止まり、桜皮と秋田杉のトレイ〈Kasanegasane〉の納入が決まりました。

「ここ数年、ヨーロッパで樺細工は注目されつつあります。知らない方でも、角館は桜の町で、武家屋敷が残っていて、樺細工はサムライの仕事なのですよと話すと強い興味を示してくれます。さまざまなブランドから『私たちとマリアージュしませんか』『アンサンブルしませんか』という言葉が出てきました」

さまざまな要望に応えられるのも、高い人技があればこそ。樺細工は産地問屋が流通と材料調達を請け負い、職人に材料を提供して制作を依頼する分業制。冨岡商店も伝統工芸士を含む40軒の職人に外注しています。

「デザイナーの図面を見て職人さんが驚くのはしょっちゅうですね(笑)。そこを説得して新たな製品が生まれたときは本当にうれしいです」

産地や業種を超えた"技のコラボ"を実現したい

〈アート&クラフト香月〉店内

武家屋敷通りの小路を入ると、同社が経営するショップ〈アート&クラフト香月〉があります。自社製品とともに、北東北の創り手たちによるさまざまな暮らしの道具やアクセサリーなどの装飾品を集めたセレクトショップです。

「いろんな分野の創り手たちが集まる場所になり、香月をきっかけに評価の高いコラボ商品も生まれています。Rin crossingにも、こうした出会いを期待したい。バイヤーさんはもちろん、参加しているメーカー同士で産地や業種を超えた技のコラボレーションを実現していきたいですね」

昨年6月にロゴを一新し、ブランディングにも力を入れる冨岡商店。ひとりでも多くの人に樺細工の魅力を伝えようと、見本市や物産展にも精力的に出展しています。

営業本部隣の工場では、3人の職人さんが仕上げ作業を行っています。「じつは皮選びがもっともむずかしい。削る前にどこに良い柄が出るかがわかるようになると一人前ですね」と工場長の髙橋寿美男さん。   樹皮は、最高の皮とされる「ひび皮」、滑らかな「あめ皮」、ちりめん状に見える「ちりめん皮」など多種多様。製品に仕上げるまでに、熟練の技で10工程以上かかります。
「樺細工は使えば使うほど艶が増すので、100年でも200年でも保つようにしっかりつくります」と伝統工芸士の栗栖得三さん。

有限会社冨岡商店
(ユウゲンガイシャトミオカショウテン)

アート&クラフト 香月

〒014-032
秋田県仙北市角館町東勝楽丁2番地2
TEL:0187-54-1565
FAX:0187-54-1567
http://ac-kazuki.jp

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