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創り手たちのStory

Home > 創り手たちのStory #005 (株式会社タネイ)

#005 株式会社タネイ2012/12/11

日本の“武士道精神”を「刺し子織りのバッグ」に込めて

挑戦し続ける武道着のトップメーカー

ざっくりした風合いに目を引かれる〈sasicco〉のバック。柔道着と同じ素材でつくられていると知ると、たいていの人は珍しそうに触れてみて、それから縫製の確かさにまた驚きます。

「うちの縫製は頑丈ですよ。道着は、激しい動きでも破れないように徹底して縫い込みます。そのノウハウをバッグに生かしていますから、鞄好きの方ほど驚き、喜んで買っていかれます」と笑顔を見せる代表取締役の種井美文さん。

「今ある設備と人材を生かした新たな製品開発を行っています」と代表取締役の種井美文さん

 

バッグの持ち手に武道の帯を使うなど、武道の精神を感じてもらえる工夫をしています

愛知県三河市で16世紀から続く三河木綿を使った「刺し子織り」は、生地の凸凹により耐久性、耐火性、保温性、吸湿性に優れ、日本古来より防火用衣の織り物として伝わってきました。大正10年創業の株式会社タネイでは、それまで手仕事であった刺し子織りの製織機を開発。剣道、柔道、空手道の道衣のトップメーカーとして、武道用品の進展に寄与する製品開発を行ってきました。

近年、武道家たちを驚かせたのは、平成6年に発表した〈バイオ加工剣道衣〉です。ヒントは、なんとデニムジーンズでした。
「藍染めの剣道衣は着心地が硬く、洗えば縮むのが常識でした。しかし、ジーンズメーカーに勤める知人からさまざまな洗い加工の方法を聞き、剣道衣にも応用できないかと考えたのです」

バイオ加工の剣道衣は、手刺しに近い柔らかな着心地で伸び縮みの心配がなく、藍染めの色落ちもゆるやかで深い色あいを長く保ちます。業界初の試みだったため当初は売れ行きが伸びませんでしたが、口コミで評判が広がり、人気商品となりました。

「武道」の精神をバッグに表現

剣道や柔道は、海外でも人気のスポーツ。しかし、少子化の影響で国内の需要は減少傾向です。リスク分散のためにも、武道着以外の製品をつくる必要性を感じていました。

「バイオ加工で夏用の薄手の剣道衣をつくった際、その刺し子地がとてもきれいだったのです。そこで中小企業基盤整備機構のOB人材派遣事業を活用してアドバイスを受け、熱から身を守る特性を生かした料理人用の〈割烹着〉や〈和帽子〉、高級作務衣の〈和楽〉シリーズを開発しました」

ネット通販でヒットした刺し子織りの和帽子

 

セレクトショップ『Rin』と共に開発した〈トート50〉

中小企業総合展などの展示会にも積極的に出展し、コンサルタントの紹介で取引を始めたカタログ通販総合サイトで〈和帽子〉が大ヒット。2008年の年間売上げ1位を獲得したことをきっかけに、「刺し子地でバッグをつくりませんか?」という依頼が舞い込みました。

「言われてみれば、刺し子地は帆布よりも丈夫で、じゃぶじゃぶ洗えますし、凸凹の立体感もユニーク。私たちらしく武道のイメージをバッグに表現したいと思い、流行を追うよりも長く使えるシンプルなデザインで、持ち手にカラフルな武道の帯を使うなどの工夫をしました」と、取締役専務の種井由美子さん。

刺し子地は頑丈ですが柔軟で肌当たりがよく、しなやかに体に馴染みます。重いものを持っても紐が肩に食い込みにくく、使っていくうちに味も出てきます。
「派手さはありませんが使ってみると良さがわかり、愛着を持ってもらえるみたい。リピーターが多いんですよ」

仕上がりの美しさにこだわって差別化

タネイでは、生地の仕入れから裁断、縫製まで一貫したモノづくりで高品質な商品を生み出しています。道着を縫うための特殊なミシンを踏みながらバッグをつくっている熟練の職人さんたちは、みな女性です。

バッグ事業を担当する取締役専務の種井由美子さん

 

生地の目ときれいに揃った糸目。この丁寧さが形の美しさにもつながる

「生地の目と糸目がきれいに揃っているでしょう?」そう言いながら種井専務が縫い目を見せてくれました。通常、ガタガタになってしまう縫い目の裏も、まっすぐで乱れていません。

「刺し子織りは縫うのに手が痛くなるほど力が必要で、美しい裁断や縫製がむずかしいとされています。女性ならではの細やかさで、ここまできれいに仕上げることが大きな差別化になっています」

本社社屋内に工房を持ち、さまざまなオーダーにすばやく対応できるのが強み

その実力を見込まれ、日本の素材と工房にこだわったバックブランド〈CaBas(キャバ)〉に“唯一無二のアトリエ(工房)”として選ばれました。

「ファッションブランドのOEMでは、道着の縫製では考えられない難易度の高い注文が多いのですが、どうしたら実現できるかみんなで考え、解決することでどんどんスキルアップしています」

無駄をなくして原価を抑え、価格に還元

自社ブランド〈sasicco〉では、生地に無駄の出ないパターンを重視。なるべく在庫を持たず原価を抑えることで価格に還元し、お客様に喜ばれています。販路は現在、雑誌やネットの通販が5割。百貨店やセレクトショップでの取り扱いが増えつつあり、青山『Rin』と共同開発したトートバッグなど、ショップや他企業とのコラボレーションにも意欲的です。

 

裁断もとても力のいる仕事。熟練が必要です

 

新作発表は1年に1回。ここ2年ほどメディアの取材が相次ぎ、テレビ番組の企画で生まれた商品もs

「Rin crossingには、さまざまなジャンルの業者さんやバイヤーさんとの交流会を期待しています。海外への販路開拓も大きな課題です。刺し子織りが世界中でメジャーになるよう、今後も挑戦を続けます」

株式会社タネイ
(カブシキガイシャタネイ)

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