The Place of Discovery Rin Crossing

menu

menu

登録メーカー
261社
登録バイヤー
国内:803名/海外:517名

詳細へ

創り手たちのStory

Home > 創り手たちのStory #057 株式会社 ポイントピュール

#057 株式会社 ポイントピュール:琉球コスメ【沖縄】2017/02/24

沖縄・久米島の天然資源を生かしてココロとカラダの癒しブランドを発信〈琉球コスメ〉


理・美容師の経験から生み出された
安心・安全な自然化粧品

かつて琉球王朝の時代から最も美しい島として琉美(くみ)の島と呼ばれてきた久米島は、沖縄本島から西へ約100キロの海洋に浮かぶ癒しの島。那覇空港から30分ほどで辿り着いた久米島空港から車を走らせると、熱帯植物など豊かな自然に囲まれた景色が広がります。今回訪問したのは、島東側の真謝(まじゃ)集落にある自然化粧品製造メーカー、ポイントピュール。2001年の創業から久米島海洋深層水と沖縄天然素材にこだわった、安心・安全な自然化粧品をつくり続けています。

 

「理・美容師時代の問題意識が、ナチュラルコスメを自らつくる原動力になった」と語る代表取締役の大道敦氏と取締役専務の大道りつ子氏

「もともと私たちは、この島で初めての理・美容院「Point」を30年ほど前に開いて営んでいました。当時、化粧品やヘアケア用品も販売していたのですが、私たち自身が職業柄手荒れに悩まされていて、もっと納得のいくよい化粧品はないものかと、ずっと問題意識を抱いていたんです」と語るのは、代表取締役の大道敦さんです。

雑菌が少なくミネラル成分豊富な海洋深層水は、久米島の海、水深約612メートルから汲み取られている

そんななか、2000年に久米島沖の海洋深層水を資源活用する研究を目的とした研究所ができました。人口減で悩む久米島の一員として商工会で見学に訪れた大道さんは、飲料や塩、水産物養殖など、幅広い海洋深層水の活用方法が研究されているのを目にします。2000年の歳月をかけて地球を循環する海洋深層水は、環境ホルモンや雑菌がほとんどなくミネラルも豊富で限りなくピュアな水。「理容師時代に関西の修行先で、オリジナルの化粧品をつくっていたことを思い出して、中小企業でもオリジナルの化粧品ができるのではないかと思い立ったんです。美しい久米島の天然資源である海洋深層水を生かして、なおかつ私たちが求める安心・安全な化粧品を目指して、すぐ研究に取り組みました」。

日本トップクラスの規模を誇る沖縄県海洋深層水研究所から、地下のパイプラインを通じて直接工場へ汲み入れられる海洋深層水は、2000年の時を経てこの工場で初めて空気に触れるのだという

久米島初の美容室「Point」から始まり、エステサロン、直営店へと発展してきたポイントピュールの軌跡

海洋深層水を水、ミネラル、塩に分けて精製したものを化粧品の主原料にして、ゴーヤーローションをはじめとした、さまざまな自然化粧品を開発。研究から1年後の2001年には沖縄県内でプレス発表会を開いて大々的に発表しました。

「当初、沖縄では散々な反応でした」と苦笑いしながら語る大道さん。昔から母親が畑仕事の後にはゴーヤーのパックをして日焼けを鎮めていたのをヒントに開発したローションでしたが、当時は地元の人にとっては身近すぎて受け入れられたかったのだといいます。しかし、2年目に東京で商談会に出展したのをきっかけにエステサロンや理・美容院、ホテル、メーカーなどさまざまな人の目に留まり、自社オリジナル製品を手掛けながらも、多様な企業のOEMによる化粧品の開発が始まりました。

一番初めの商品「ゴーヤーローション」は当時の理・美容院のスタッフによる手描きイラストが根強い人気。現在も変わらない外装で継続販売している


地道な基礎研究を続けながら事業を拡大し
地域産業として雇用創出にも一役

創業から約16年を経て、スキンケアからヘアケア化粧品まで開発アイテムは80種以上、OEMの取引企業も130社を超えるといいます。ゴーヤーやパッションフルーツ、ハイビスカスなど、沖縄には独自性の高い素材が豊富なことも手伝って、“久米島海洋深層水と沖縄天然素材”という、他には真似のできないオリジナリティを打ち出せること、そして研究から開発まで自社で一貫して取り組むことのできる体制が、同社の最大の強み。今や久米島海洋深層水を活用した島の事業のなかでも大きな比率を占める事業に発展するとともに雇用も生み出し、人口の減少に歯止めをかけています。

 

洗浄室、資材室では容器の殺菌や梱包など、すべて手作業で一つひとつ丁寧に行われる

 

製造室、試験室はクリーンに保たれている。原料のひとつである天然由来成分は、クイックに対応ができるよう一般的な工場の1.5倍が常にストックされている

とはいえ、ここにいたるまでの道のりは順風満帆とはいきませんでした。薬事法による規制が厳しい業界だけに、OEM製品を提供する取引先にも薬事法を遵守することを取引条件にしていますが、時にはそれを守らない会社もあったのだとか。「売上の4分の1を占める大口の取引を打ち切ったこともあります」と大道さん。久米島海洋深層水のピュアなブランドイメージを支えているのは、創業時から貫かれている誠実なモノづくりの姿勢でした。

100kgから2tまで大小8種の製造釜で、化粧品が製造される。シャンプーなら300本くらいからの小ロット対応も可能だ

また一方で、産学共同による研究にも力を注ぎ続けます。世間的にも海洋深層水のミネラルが豊富であるということは認知度が高まってきていましたが、化粧品としての効能をうたうことができるまでには至っていませんでした。それが、富山県立大学との共同研究によって、ポイントピュール独自製法による化粧品原料水がプロコラーゲン合成を促進する効果があると認められたのです。

そして2015年には、地域経済を活性化する中小企業300社として経済産業省より認定を受け、次なる製品開発や販路拡大へ向けて大きな弾みがつきました。

2015年、経済産業省の「がんばる中小企業・小規模事業者300社」に認定


先人から伝えられた知恵を生かして
さらなる製品開発と販路拡大へ

2006年にオープンした沖縄本島の直営店「琉球コスメハウス」は、一般のお客様向けのエステ体験や、OEMを希望するサロン向けセミナーなどさまざまな業務を行っています。2004年には本社工場も新設し、昨年久米島を訪れる観光客向けの直営ショップも併設してオープン。より多くのお客様に満足いただけるおもてなしができるスペースとして、好評を得ています。

 

本社工場に併設された「琉球コスメハウス」では、ポイントピュール全オリジナル商品を購入することができる

一般のお客様が、試したいコスメを無料でエステ体験をしたり、取引先向けセミナーを開催する2階のセミナースペース

より洗練された美しさを目指すワンランク上の化粧品「琉スパリファイニング」

取り扱い商品については、OEMに主軸を置いて展開してきましたが、ここ数年はオリジナルブランドの比重も高まってきたといいます。「オリジナルの商品があるとイメージをつかみやすいので、OEMの商談もスムーズに進むんですよ。お取引先様が使いたい素材などを持ち込んでの企画も可能です。今はオリジナルが増えたとはいえ、やはりOEMも多いですね。これからはさらにクオリティを追求したオリジナルブランドをつくっていきたいです」と目標を語る大道さん。現在もオーガニックな素材にこだわった新ブランドの開発が進行中だとか。

エステ体験をしたお客様がくつろぐ3階のフリースペース

オーガニックな素材にこだわった新ブランドの開発が進む

オリジナル商品の開発を主に手掛ける奥様の大道りつ子さんは、「海底に眠っていたクチャ(海泥)も、15年前から基礎研究をしてきて製品化につなげた自信作です。昔から沖縄の人たちはこの泥を水に溶かして髪を洗っていたんです。沖縄の天然素材で健やかさを保ってきた先人の知恵には、本当に学ぶことが多いですね」と語ります。

 

沖縄の海底に数百万年にわたって堆積し、地盤の隆起で地表に現れたクチャ(沖縄海泥)を使った製品も

 

オリンピックを見据え、ハラル対応商品や海外のコスメブランドとのコラボレーション企画も進行中

また、2020年のオリンピックを視野に入れたハラル(イスラム法で許可されたもの)認証商品の開発にも取り組んでいます。現在は海外のコスメブランドからコラボレーションの声がかかり、海外向けの製品開発も始めたといいます。

「久米島は沖縄本島よりも遠いので、気軽に立ち寄ってもらえる環境ではありません。ですから、Rin crossingの商談会や展示会で、バイヤーさんの目に触れたりするチャンスがあるのはありがたいですね。今後も新たなマッチングに期待しています」とさらなる展開にも意欲的です。

離島ならではの、そこにしかない天然資源に恵まれた環境を最大限に生かしながら、今後も海を越えて、ココロとカラダを健やかに保つナチュラルコスメブランドを発信し続けてゆくことでしょう。

株式会社 ポイントピュール
(カブシキガイシャ ポイントピュール)

ページトップへ