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創り手たちのStory

Home > 創り手たちのStory #006 (株式会社アスカム)

#006 株式会社アスカム2012/12/18

間伐材を利用した「セラミック炭」で、環境とヒトに優しい製品づくり

「森を守りたい」という思いから生まれた新素材

70年の歴史を持つ製材機械メーカー横山鐵工株式会社が、国内の間伐材の有効利用を目指して事業化した株式会社アスカム。1997年、静岡県中部を流れる大井川流域の杉・ヒノキと天然粘土を主原料にした新素材「セラミック炭」の開発に成功し、環境を考えながら豊かなライフスタイルを提案する製品を世に送り出しています。

「木材を利用するために山から木を伐採しますが、実際に使われるのは魚でいえばトロの部分だけ。あとは焼却したり、山に放置している状況で、なんとかしてほしいという全国のお客様(木材加工業者)からの声がありました。私自身も山に入るたびに、木材産業に関わる身としてもっと資源を有効活用し、森を守らなければならないと痛切に感じていました」と、代表取締役の松浦紘一さん。

 

「セラミック炭の開発に着手した15年前は、安い炭が中国から大量輸入され、間伐材を用いた国産の炭づくりはあまり理解されませんでした。しかし、地球温暖化の問題から中国で炭の国外輸出が禁止となり、人々の環境に対する意識も急速に高まっています。時代の変化を追い風に、私たちの理念をわかりやすく伝える製品づくりに取り組み続けます」と松浦紘一社長

10年以上も模索の日々が続きましたが、あるとき「細かなチップ材にすれば用途があるのではないか」と考え、セラミックスの粘土と混ぜ合わせて高温で焼いたところ、木質材が持つ多孔質性能を保持したすばらしい炭が生まれました。

「健康」を考えたアイマスクが大ヒット

微細な孔を保持しているセラミック炭は、上質な備長炭と比べても調湿能力が2~2.5倍、アンモニア吸着力も約3倍と、非常に優れた調湿・吸湿・脱臭効果を持っています。また、化粧品や飼料添加物として認可されるような高級なセラミックスを使っているため、ミネラル含有量も木炭の約20倍。炭素成分は30%しか含まないため、燃えにくいという特徴もあります。

樹齢20〜30年の杉やひのきの間伐材を粉砕したチップを規定の分量でセラミックと混ぜ合わせ、ロータリーキルン式の炉で30分かけて焼き上げます。炉内の温度は850℃。焼き上がったばかりのセラミック炭は300℃以上あり、24時間かけて冷ましていきます

「さまざまな可能性のあるこの新素材を、どのように消費者に還元していくか。当初は未利用材を大量に使うということを念頭に置き、園芸や住宅、飼料の分野で商品開発を進めましたが、環境を守りたいという気持ちから生まれた素材であることから、人々を幸せにする『健康』や『リラックス』をキーワードに商品開発ができないかと考えるようになりました」と商品開発担当マネージャーの松浦弘直さん。

「エンドユーザーが喜んでくれる商品開発にやりがいを感じています」と、松浦弘直マネージャー。大学や工業技術研究所と協力して研究開発を行い、セラミック炭の可能性を模索し続けています

2003年、セラミック炭入りシートを内側全面に使用し、遠赤外線機能を活かして疲れ目を癒す〈おや炭くらぶ 癒しのアイマスク〉を開発。その年のギフトショーで多くのバイヤーに注目され、テレビや雑誌にも取り上げられて、現在も売れ行き好調な大ヒット商品となりました。

地域活性化や木材産業の伝統を製品に込める

 

同社のヒット商品〈おや炭くらぶ 癒しのアイマスク〉

 

機能性とインテリア性を兼ね揃えた〈脱臭芳香器アルーマ〉。デザインはシンプルなラインでコンセプチュアルなデザインを得意とするアーティストRei氏に依頼し、重箱をモチーフにした三段構造を採用

環境への思いを伝え、より豊かなライフスタイルや感性を提案したい。そんな思いから、2008年、ブランド〈kinokoto〉起ち上げました。その象徴的な製品が、火や電気を使わない〈脱臭芳香器アルーマ〉です。

実は、炭を使って脱臭しながら同時に芳香させるという製品は、他社にはありません。アイデアのきっかけは、「炭の脱臭機能は、良い匂いも吸ってしまうの?」という素朴な疑問からでした。さっそく吸着試験を行ったところ、他の活性炭はイヤな臭いとともに良い匂いも吸着してしまいましたが、同社のセラミック炭だけは臭い成分を吸着するスリットが小さく、天然の芳香成分は吸着しないことがわかったのです。

「2007年頃から社会の環境に対する意識が大きく変わり、私たちの事業に興味をもつバイヤーさんや他業種の方が増えています」と営業担当マネージャーの横山公哉さん

「これは大きな武器になると考え、選択吸着炭として特許を取得しました。製品化に際しては、地域活性化への思いや木都(もくと)と呼ばれる大井川周辺の木材産業の伝統を伝えたいと考え、静岡県工業技術研究所とデータ収集を行って県と共同特許とし、外枠には世界的にも木目が美しいと知られる『静岡ひのき』を使用。日本の伝統的な『重箱』をモチーフにしたデザインを採用し、静岡の木工職人が一つずつ丁寧に仕上げています」と、営業担当マネージャーの横山公哉さん。

メッセージ性で選ばれる時代を実感

その他、〈kinokoto〉ではオーガニックコットンを使用した炭のカットソーや絹と炭を使ったあたたかなサポーター、セラミック炭シートを封入したペット用の首輪などの革製品など、自然素材を生かした商品を展開。百貨店や都心のセレクトショップでの取り扱いが増え、さまざまなフェアやイベントに招かれています。また、寝具メーカーと共にひのき素材やセラミック炭入りの畳を使ったベッドを開発するなど、コラボレーションやOEMにも積極的に取り組んでいます。

「〈アルーマ〉はギフト需要で人気が高く、企業の日本の森を守ろうキャンペーンの景品に採用されるなど、機能性だけではなくメッセージ性のある商品として選ばれていることを感じます。Rin crossingでは、こうした時代の傾向を踏まえた製品開発から売場展開までを、一緒に考えていけるようなバイヤーさんや異業種の方々との出会いを期待しています」

〈アルーマ〉は上段がひのきチップを敷いてエッセンシャルオイルを垂らす「香り」の箱、中段が選択吸着炭でお部屋のイヤな臭いを浄化する「吸う」箱、下段がLEDライトを配した「光る」箱となっています

 

「焼き上がりの炭の大きさにこだわっています。5〜8mmのチップ状が加工しやすく、品質が安定するのです」と職人の増田さん

株式会社アスカム
(カブシキガイシャアスカム)

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