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創り手たちのStory

Home > 創り手たちのStory #060 株式会社 二宮五郎商店

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#060 株式会社 二宮五郎商店:革製品【東京】2017/04/25

日本ならではの様式美を追究し続けながら熟練の革職人の技術をつなぐ〈KAWA-ORIGAMI®〉


ものづくりの街で、伝統的な革製品の王道を貫く
「Nino Classical Tailored」として

古くは北斎や江戸小紋などにはじまり、近現代にいたるまで鋳物、ガラス、皮革、紡績などの地場産業が栄えてきた歴史あるエリア、東京都墨田区。ものづくりにおける地域ブランド活性化の動きに、早くから取り組んできたことでも知られる街です。東京スカイツリー開業を機にさらに動きが活性化する墨田区東向島で、1946年より皮革製造業を営む二宮五郎商店が今回の訪問先。最高の素材と熟練職人の卓越した技術力によって、国内外のハイブランドのOEMをはじめ、早期から自社ブランドを手掛けてきた老舗レザーメーカーです。

「うちには営業はいません。全員が革職人なんです」と語る同社代表取締役の二宮眞一氏

「うちのものづくりの基本は、素材選定と製造を一貫して自社内で手掛けていることです。アイテムに最適な最高品質の素材を吟味できる眼を持つこと、そして、熟練した職人一人ひとりが型入れから仕上げまで責任を持って手掛けることで、クオリティの高いものづくりを守り続けています」と語るのは、ご自身も現役職人を貫く代表取締役の二宮眞一さんです。創業当初は、シチズンの時計バンドを一手に手掛ける革製品工房としてスタート。その後、バッグや財布などアイテムを広げ、60年代には自社で印刷媒体をつくるなど、情報発信も積極的に行ってきたものづくり企業です。

1965年当時に発行していた自社媒体『サンダー』。撮影も流行のスタイリングで独自に行い、ものづくりの背景や最新情報などを発信していた

60年代の職員の集合写真。ベテラン職人の赤羽弘氏はこの当時から同社で60年以上にわたって技術を磨き続けている

手を離すと自然にフタが閉まる仕様の万年筆ケースは、寸分違わずピタッと磁石が合わさるよう仕立てられている

なかでも、40年以上にわたって同社でつくり続けている「風琴マチシリーズ」は、マチがありながらも薄くてスマートな造りを実現するうえ、名刺やお札を傷つけずに出し入れできるよう山折のマチがジャバラ状になっている日本独特の伝統的な手法だといいます。コンマ数ミリの差で仕上がりのクオリティを大きく左右するため、裁断の正確さや緻密な接着など、熟練の職人技が求められる手法。二宮五郎商店の風琴マチシリーズは、長年にわたって愛され続けているロングセラーアイテムです。

熟練職人の技が随所に光る「風琴マチシリーズ」は同社で40年以上続く代表的な商品

「革製品といえばイタリーのイメージがありますが、その昔はアメリカも本場といえる産地のひとつだったんですよ。50〜60年前のアメリカの革製品には丁寧な仕立てのものがたくさんあります。弊社では、当時の製品を買い集めていろいろと研究を重ねてきました。伝統的な技法を次世代へ継承していくことが大切だと考えています」と語る二宮さん。2代目として会社を受け継いでからニノ・ワークスブランドとして“Nino Classical Tailored”をテーマに掲げ、伝統的な革製品づくりの王道を外さない、誠実なものづくりの姿勢を貫いてきました。

伝統的な革製品の技術を継承したいという思いで掲げられたニノ・ワークスのものづくりポリシー


自社内の職人の手による一貫製造で
独自の規格と仕様を守り、技を継承する

国内外のハイブランドからの注目を集め、次々とOEM製品やコラボ企画のオファーが舞い込む同社の魅力は、最高の素材と卓越した職人技によって、型入れから仕上げまでの全工程を一貫して手掛ける製造体制にあります。すべてを内製化することによりクオリティを安定させ、熟練職人によるダイレクトな指導で技術の向上も図っているのです。

20人ほどの職人が各々のポジションでものづくりに集中する製造工場

こだわりの革は、すべてオリジナル仕様のオーダー品

一口に革と言ってもその種類は多岐にわたります。アイテムによって最適な革を見極める眼も重要なポイント。同社で使用する革は、すべてフルオーダーのオリジナル仕様で、技師とともに研鑽を重ねながら、高品質な革づくりにも力を注いでいます。

「実は、若い頃は家業を手伝いながら飲食店も経営していたんですよ。布団で寝る暇もないほど多忙でしたが、革製品やデザイン業界のお客様も多くて勉強になりました。マグロも革も外見で品質を見極めて、調理して売り物にする。生き物を扱うわけですから、いかに材料をムダにせず、かつ高品質なものをお客様に提供できるかという点は共通していますね」と二宮さん。材料への徹底したこだわりは、料理人時代から変わっていないようです。

ベテラン職人、赤羽氏による仕事は、コンマ数ミリのブレもない見事な手業

製品づくりの全工程を、一人ひとりの職人が責任を持って手掛ける

また、職人の手に馴染む道具や最新の設備を導入し、職人がものづくりに力を注ぐ環境にも、細部にわたって妥協のないこだわりが貫かれているのが印象的です。

 

製造工場には、職人の技量を発揮できる設備・環境が整う

 

次代を担う若手職人も多く、先輩職人から学ぶ眼差しも真剣

60年以上現役を貫き続ける「すみだマイスター」の赤羽氏

先代から続くベテラン職人である赤羽弘さんは、キャリア60年以上の「すみだマイスター」。現在20人ほどが在籍する製造工場では、赤羽さんの熟練した手業が、日々着実に若手職人たちへ受け継がれていました。


一枚の革で織りなす「KAWA-ORIGAMI®」から
ブランド力を高め、フィールドを世界へ広げる

バッグや財布などのファッションアイテムから、ステーショナリー、インテリア、カー用品まで幅広いアイテム展開で革製品を生み出してきた同社が、自社オリジナルで数年前に打ち出した「KAWA-ORIGAMI®」は、各界から注目を集める新ブランド。シンプルに削ぎ落されたデザインが美しく、2016年には日本が誇るべき地方産品として「The Wonder 500™」に選出されました。またミラノのNo.1セレクトショップ「10 Corso Como(ディエチ・コルソ・コモ)」でも販売されています。

不要なものを削ぎ落とすという日本の様式美を表現した革小物「KAWA-ORIGAMI®」。一枚革と最小限の部品で仕上げられている。2016年に商標を登録

折り紙のように一枚の革を折りたたむようにして仕立て上げられたフォルムは、手に持ったときのやさしさや、折り紙のような日本的な様式美が高く評価され、国内外のハイエンドブランドをはじめ、新たなコラボレートの話が相次いで寄せられているといいます。

 

大手アパレルブランドのOEM商品「AJIRO KAWA-ORIGAMI®」

美濃和紙と革を圧着させた新素材を開発し、「KAWA-ORIGAMI®」で製品化

台湾をはじめ中華圏において「KAWA-ORIGAMI®」シリーズが高く評価され、デザインアワード2016年度「GOLDEN PIN」を受賞

「私がいちばん大事にしているのは、実際に自分で使ってみて、愛着を持って長く使えるかというポイントです。どれだけ完成度が高い製品でも使ってみてひとつでもマイナス点があれば没にします。長く使えないと意味がない。使い勝手、手触り、デザインなどさまざまな要素を突き詰めていくと最後は、シンプルでミニマムに削ぎ落されていくものです。例えばこのコインケースは一見小さくて容量が足りるか不安になるサイズですが、使ってみるとこれだけ愛着を持てるものはないと思えるほどです」と、「KAWA-ORIGAMI®」がこれだけ話題を呼び続けている今もなお、新たな可能性を模索し続けています。

機能性デザイン性ともに不要なものを削ぎ落したウルティマコインケース。形状に沿って自然とコインが一列に並ぶ

「今後は、昨年の取り組みで評価の高かった台湾をはじめ、東南アジアへも展開の場を広げていきたいですね。roomsなど海外からの来場者が多いイベントへの出展や、Rin crossingの商談会などにも積極的に参加したいと考えています」と販路拡大にも意欲的。「ニノ・ワークスという日本発信のブランド力を高めて、製品クオリティへの信頼の証として認知してもらえるようになること、それが今後の目標です」と明確なビジョンを語ってくださいました。ニノ・ワークスのものづくりの思想をベースに、こだわりの素材、職人、環境によって織りなされる新展開にますます期待が高まります。

かつて二宮さんが営んでいた浅草の料理屋を全面改装して2016年にオープンしたショールームは、ニノ・ワークスブランドの世界観が伝わる空間

株式会社 二宮五郎商店
(カブシキガイシャ ニノミヤゴロウショウテン)

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