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創り手たちのStory

Home > 創り手たちのStory #068 株式会社 コード:和紙加工品【京都】

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#068 株式会社 コード:和紙加工品【京都】2017/12/25

自然と対話しながら生まれる「ジャパンブルー」親子で届ける伝統の阿波藍


職人の丁寧な手作業から生まれる、
信頼される和紙加工製品

日本でも屈指の歴史と文化の残る町、京都。京都の一角である京・伏見にて創業70年以上の歴史を持ち、徹底したこだわりの和紙加工製品を作っているのが、株式会社コードです。創業者は、神門(こうど)兵右衛門(ひょうえもん)氏。明治16年福井で生まれた兵右衛門氏は、学校の先生や石灰製造、など様々な業種に就いていましたが、戦争を経験する中で「平和産業がやりたい」と思うようになり、当時ご縁のあったここ伏見で、紙を扱う仕事を始めました。

細部まで丁寧な仕上げ。手作業で作られる色紙からは、職人の技と誇りを感じることができる

工程別に分けられた作業場。作業中のもの(半製品)を保管する場所など目的別に部屋が多数ある

欠品ができるだけ出ないように、出来上がった数百種類の商品が大量にストックされている大きな倉庫の様子

創業当時は古紙を原料にし原紙を漉く作業から行っていました。その後その原紙を使った和紙加工製品を作っていましたが、時代の変化とともに、現在は和紙を使った加工製品作りに特化した会社へ。定番の色紙や書道用品以外にも、最近特に若い女性を中心に人気上昇中の「御朱印帖」をはじめ、様々な和本つくりを手がけています。現在3代目である社長、神門素子さんの強い願い・モットーは「人々が幸せになるものづくり。そして平和」です。平和の「和」・和紙の「和」を大切に、幼い頃から工場を見て育った神門さん。「手作業で丁寧に、そして心からのものづくり」を信条とし、新たな和紙の可能性を追求されています。

海外に留学していたこともあって、グローバルな視点を持つ代表の神門素子さん

京友禅柄の染めの和紙が貼り合わされた御朱印帖。MADE IN KYOTOの文字が光る!

何工程経ても、ビシッと揃った折り目が際立って見える

原紙が色紙になるまでの製造プロセスは、大きく分けて3つの工程に分かれます。まずは、芯紙に表紙と裏紙を貼り合わせる、「合紙」という作業。時間をかけて圧着しきちんと貼り合わせ、用途によって様々なサイズに「断裁」され、その後「ヘリ巻」と呼ばれる、紙の縁を金色などのテープで巻く作業が行われます。どの工程も丁寧な作業と細やかなスキルが要求され、終始目を離すことができません。一つの色紙を作るまでにかかる時間は10日間ほど。全ての前工程を経た上で、ヘリ巻(縁巻)だけの工程で言えば1日約3万枚の色紙をヘリ巻できるそうです。「コードの強みは、京都のものづくりの文化を受け継いでいるところ。機械も使っているけれど、基本手作業で行っています。『人が気が付かないような「ちょっとしたところ」や、そしてもちろん全体としても大変丁寧に作られている』。そう思って頂けるととても嬉しいです」と神門さん。

色紙にヘリ巻を行う機械。傷がつきやすい色紙の場面では、紙通しの導入部分に人が立ち、ヘリ巻され流れてくる色紙を手で受け取り、縁巻きの金テープが少し色紙に残っている部分を手作業でカットする作業を行う。其のカットの技が絶妙で、大変な職人技

不備がないか、チェックしながら一枚ずつ機械に色紙を入れていく

ビシッと綺麗にテープが貼られていることを瞬時に確認できたら、余分な金テープの部分をカットする

これまでの長い試行錯誤の結果、適度に硬く、しなやかに曲がるカミソリ歯を使用

数十枚重ねたら、滑らせるように上から下へと一気に剃刀を下す

経験と勘どころにより、その間1秒にも満たない速さ

簡単そうに見えるが、綺麗にカットできるのは将に職人の技


新しい和紙の可能性の発掘と
ものづくりを通して人を育て、和紙の伝統加工・製造文化を継承する事に貢献する

代表に就任した神門素子さんは、「3代目でできることは何か」「何かしなければ」という強い気持ちにかられ、悶々とした日々を過ごしていたそうです。そんな中、2011年末にすでに世界で活躍されていたプロダクトデザイナーの安積 伸さんと出会うことで新たな動きが生まれました。ロンドンにいる安積さんと1年間のメールのやり取りを経て、「和紙の可能性を追求したい」と新たなジャンルの商品を安積さんと生み出すことに。「現代の生活に受け入れられ、世界のユーザーに愛される和紙加工品」として作られたプロダクトの全体は、ブランド「kami-mon(かみもん)」と名付けられました。安積さんの呼びかけで参加した2人のデザイナーとともに、和紙でつくるモビール「Square Mobile」や、フルーツをのせる和紙の器「Bicorne」、飾ることを意識した箱「kadoco」等々の6アイテムのプロダクトが誕生することになりました。商品デビューの場はなんと、パリで開催される世界最高峰のインテリアとデザインの見本市「Maison&Objet Paris 」。出展するや否や、多数の国内外から取材が入り、今でも海外から連絡が入るそうです。

当初は、本名「神門(こうど )」の読み違いのようで「kami-mon(かみもん)」というブランド名に、神門さんも少々戸惑いや気恥ずかしさがあったとか

「『新たな可能性を見出す』というのは商品作りだけでなく、コードで働く若い社員に対しても同じ気持ちです。人生に於いて何を大切にし、どう生きて行くのか。それが先ず一番重要な事だと思っています。立派な社会人を育てる場であることが大切であり、天から与えられた使命であると、どこかで信じています。ビジネスは生活の基礎を支える大切なものです。しかしそれ以上に、日々の人材育成に重要さを感じています。将来の日本、大きくは世界を支えていく人たちを育てることに繋がっていくと思うから。従業員の心を大切にし、この会社が人として一番大切な部分を学んでいく『学校・学びの場』であるよう切に願っています」と神門さんは言います。昨年、京都造形大学を卒業して入社した新人男性社員の方は、「大半の若い人は和紙と聞くと書道半紙くらいのイメージしかもっていない。これから先輩たちに学び、スキルをマスターし、将来は和紙でできる様々な素敵なプロダクトを作り世に出したい。そして和紙に対する間口を少しずつでも広げられればと思います」と力強く夢と抱負を話してくれました。

和紙でものづくりがやりたいとコードに入社。現在は来年の干支色紙を作る工程

コードで働く韓国の元女子留学生にも「ものづくりに対する思い」が伝わるように、日本語とハングル語の両方で書かれている


「和紙と言えばコード」と
言われる日を夢見て

自社の製品以外にも、思いがリンクした企業とのコラボ制作も積極的に行っています。例えば、手摺りの木版画で有名な、京都の木版画職人工房「竹笹堂」の御朱印帖や、京都スーベニール株式会社の2ブランド「カランコロン京都」「日本CHACHACHA」と、「kami-mon」との協働企画がスタート。 kami-mon(かみもん)×SOUVENIR made in KYOTO「ほんまもん」の御朱印帖が新企画商品として生まれました。「コラボレーションすることで、新たな刺激が生まれ、違う視点でものを見ることができます。Rin crossingでも、そのような企業や個人との出会いをとても期待しています。そして、いろいろな意見を取り入れ学習しながら、今後のものづくりに反映させていきたいと思います」と神門さん。

京都スーベニール株式会社と作っている御朱印帳は、カラフルなものが多い。京都スーベニール株式会社のオリジナルのデザインと裂地が表紙を飾っていて、特に女性に大人気

来年の干支、戌年の色紙作りも佳境を迎えている

細かなオーダーに応えられるよう、様々な材料・資材がストックされている

「ビジネスだけではない、確かなものづくりへの思いや、人の育成への熱い気持ちは、祖父や父から受け継いでいるように感じます。けれど、私自身の人生哲学でもあると思っています。既に私の中にDNAとして組み込まれていたのかもしれませんが」と笑う神門さんの元には、コードにしかできない多くのオーダーメイドの仕事が舞い込んでいます。「kami-mon」で和紙の可能性を広げながらも、実直な製品作りを行うコードの紙物(かみもの)には、熱き職人魂が息づいていると強く感じ、今後の進展が楽しみだと思いました。

表紙に貼られている白い表題(題字・タイトルを書く部分)の紙にほんのりと同色系のボカシを入れることで、御朱印帖の友禅紙(表紙の和紙)と上手くなじませている

株式会社 コード
(カブシキガイシャコード)

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